今日の発表を見ていて思ったのは、良くも悪くもホンダはまともな会社になったんだなぁということで、まあ、日本に留まらずこれだけの規模の会社になったのだから当然といえば当然ですが、創業社長の本田宗一郎は出社したら社長室よりも先に開発現場へ足を運んで、ああでもないこうでもないあれはやったのかこれは試してみたかと口を出し、時には既に金型を起したクレイモデルを見て、ここの形はもっとこうだとカンナをかけ一削りン百万の損失を出し、現場では本田造形係長と呼ばれ、二代目社長の河島喜好は図面が引けるからという理由で試験らしい試験、面接らしい面接をせず採用となったものの実はヤマハに入りたかったという一癖ある人物で、社長就任の内示を受けた当初は技術者でいたいからと出社を拒否したこともある癖どころか灰汁の強い一方、会社としてのホンダの有様を方向づけたという意味では一角の人物で、三代目社長の久米是志はご存知のように空冷水冷問題でこのままでは会社がダメになると愛憎極まった揚句に辞表を出し四国へ遍路に出てしまった経緯を持ち、四代目社長の川本信彦はF1エンジン開発に深く係わりF1撤退の決定に納得できずコスワースの面接を受け内定をもらっていたレース屋で、BEATの開発に当たっては専務時代にLPLの飯塚政雄に「オジン(上層部の年寄り連中)の言うことは聞かなくていい」「会社が持つ開発システムの仕組も全否定していい」と、若い人たちが伸び伸びとやれるよう容認した現場主義者で、歴代いずれも世間にある大会社の社長とは思えないような根っからの技術者ですが、これは会社の経営を一手に引き受けていた藤澤武夫が居たればこそで、だからこそ本田宗一郎は社印がどこにあるのかさえ知らなかったほど製作の場に入浸ることができ、社長業などという一番向かない仕事には見向きもせずやってこれだわけで、その本田がいなくなったときのために同じスケールの人間をつくるのは無理だとしても小さな本田宗一郎をたくさん作ればいいと考えた藤澤武夫の思惑通り、二代目三代目四代目と、社長業には向かない人間が社長に就任する伝統ができたわけですが、小さな本田宗一郎をたくさん作るという藤澤武夫の数ある功績のひとつは現実のものとなった一方、藤澤武夫の最大の失敗である「小さな藤澤武夫を用意できなった」結果、社長が社長らしく仕事をして、過不足のない受け答えをして、株主が納得する方針を説明できる、良くも悪くもホンダは世間によくあるマトモな会社になってしまったのではないかと、少し寂しくなりました。
今日の発表を見ていて思ったのは、良くも悪くもホンダはまともな会社になったんだなぁということで、まあ、日本に留まらずこれだけの規模の会社になったのだから当然といえば当然ですが、創業社長の本田宗一郎は出社したら社長室よりも先に開発現場へ足を運んで、ああでもないこうでもないあれはやったのかこれは試してみたかと口を出し、時には既に金型を起したクレイモデルを見て、ここの形はもっとこうだとカンナをかけ一削りン百万の損失を出し、現場では本田造形係長と呼ばれ、二代目社長の河島喜好は図面が引けるからという理由で試験らしい試験、面接らしい面接をせず採用となったものの実はヤマハに入りたかったという一癖ある人物で、社長就任の内示を受けた当初は技術者でいたいからと出社を拒否したこともある癖どころか灰汁の強い一方、会社としてのホンダの有様を方向づけたという意味では一角の人物で、三代目社長の久米是志はご存知のように空冷水冷問題でこのままでは会社がダメになると愛憎極まった揚句に辞表を出し四国へ遍路に出てしまった経緯を持ち、四代目社長の川本信彦はF1エンジン開発に深く係わりF1撤退の決定に納得できずコスワースの面接を受け内定をもらっていたレース屋で、BEATの開発に当たっては専務時代にLPLの飯塚政雄に「オジン(上層部の年寄り連中)の言うことは聞かなくていい」「会社が持つ開発システムの仕組も全否定していい」と、若い人たちが伸び伸びとやれるよう容認した現場主義者で、歴代いずれも世間にある大会社の社長とは思えないような根っからの技術者ですが、これは会社の経営を一手に引き受けていた藤澤武夫が居たればこそで、だからこそ本田宗一郎は社印がどこにあるのかさえ知らなかったほど製作の場に入浸ることができ、社長業などという一番向かない仕事には見向きもせずやってこれだわけで、その本田がいなくなったときのために同じスケールの人間をつくるのは無理だとしても小さな本田宗一郎をたくさん作ればいいと考えた藤澤武夫の思惑通り、二代目三代目四代目と、社長業には向かない人間が社長に就任する伝統ができたわけですが、小さな本田宗一郎をたくさん作るという藤澤武夫の数ある功績のひとつは現実のものとなった一方、藤澤武夫の最大の失敗である「小さな藤澤武夫を用意できなった」結果、社長が社長らしく仕事をして、過不足のない受け答えをして、株主が納得する方針を説明できる、良くも悪くもホンダは世間によくあるマトモな会社になってしまったのではないかと、少し寂しくなりました。
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E-PP1
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2023/05/24
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