キャンプエリア

2025/11/16 18:46

 本日は、先日の投稿にも登場している、昨年に仕入れた『壊れていて動かない(はずだった)ジャンクストーブファン』のお話です。

 当方のキャンプ用ストーブファンは、一昨年「薪ストーブ」と一緒に購入した『Sumeriy 16cm 6枚羽根 ¥3,980』をAmazonでポチって使っておりました。

 昨年の夏、某リサイクルショップで「動かないのでジャンク」という¥1,650のかっこいいストーブファンを見つけました。(画像-①)
 たぶん「ペルチェ素子を高温に晒しすぎて壊してるのだろう」と思い、『ペルチェ素子を交換すれば使えそうだな。』ということと、『かっこいいので動かなくてもインテリアになるかな?』で購入してきました。

 早速分解してみるも、ペルチェ素子の型番や仕様が全く記載されておらず、更にファンモータにも何も記載がないので電圧値や電流値の想像がつきませんでした。 唯一解るのはペルチェ素子の縦・横の実測サイズ(発電有効面積)及び素子部分の厚みのみでした。(まぁ、これである程度は推測できてしまうのですが。)
 さてそこで、ファン本体のメーカー名『Re:Gear』からインターネットで調べると、中国のメーカーのようで、「首振りストーブファン「HEAT WAVY ¥12,800」となっており、『直せばラッキーな買い物だったかな』と期待してしまいました。

 早速メールでペルチェ素子の仕様を訪ねると、概略次の様な回答でした。
 『本製品に使用されているペルチェ素子は、工場にて製品専用にカスタム製造されたオリジナル部品。そのため、交換用の部品として供給しないので、お客様ご自身での交換は難しい』とのこと。
 更には、『弊社での修理対応等もいたしかねますこと、心よりお詫び申し上げます。』

 さすが中華製、修理にすら応じないとは呆れるばかり。 一応「企画:日本 生産:中国」だそうでしたので、日本製?…。

 仕方がないので、一般的なペルチェ素子のスペックを頼りに、可変電圧可変電流装置 通称「直流安定化電源」で低い値から印加し、モータの廻り出す値を調べようと思いましたが…、物は試しでキッチンコンロに乗せてみると発電している様で、ファンモータを繋いだら問題なく回転し始めました。
 この時解った事は、「首振り動作」ができないだけで、ファン自体は問題なく動く事から、ペルチェ素子のそのものには問題が無く、首振り機構のみの問題でギア等を見てみれば簡単に修理出来てしまいそう」でした。
 
 ギアユニットの修理は「お楽しみ」に残しておき、早速戦列に投入して、既存のファンとの性能比較を試みました。

・既存品 Sumeriy  16cm 6枚羽根(温度計付き)
・故障品 Re:Gear  19cm 5枚羽根(温度計組込み)
 検証試験は、今回購入したキャンプ用灯油ストーブの上に置いて、ファン軸から50㎝ 離した地点での風速と温度を計測しました。(高さもファン軸に合わせる為、センサーをエレベータ三脚にて支持)
 用いた風速計は、微風速を高い精度で測定できる熱線式風速計の「日吉電機 DP90B(0.1m/S~50m/S)」を使い、検出原理上「温度計測」もできてしまう手持ちの所蔵品から選びました。(画像-②)
《追記-1:高さをファン軸センターにして計測しましたが、それより少し上方の30度以内位の位置に最高風量ポイントが有りました。 ただ既に測定を終えたファンも有り、再計測は止めてしまいました。》
《追記-2:ペルチェ素子の発電原理は素子両面の温度差です。よって、「ストーブに接したファン基台に接する高温面」と「ブレード後方の放熱フィンで冷却された低温面」との温度差です。 これよりストーブファン本体はストーブ中心に置くのではなく、ストーブ天板の後方ギリギリに置き、なるべくストーブの発熱が当たり難い所に置き、放熱フィンの効果を上げると なお良い結果になると思います。 因みに実使用ではそうしてます。》

【計測結果】(画像-③)
・風速は、0.12~0.24m/s 位の既設品に対し、故障品は0.35~0.55m/s 位と圧倒的に風量が高い結果となりました。 故障品は羽根の枚数が少ないにも拘らず、径の大きさが良好側に影響したものと考えられます。
・温度は、風量が多い為なのか、検出点の温度も既設品36.6℃に対し、39.9℃と故障品の方が高くて良い値を示しました。
《追記-3:高さを軸中心より20度〜30度位上方での故障品風量は0.8〜0.9m/sは出ており、温度も40℃を越えてました。》

 以上の結果から、故障品は風量が多く、その為か検出点の温度も高くなっており、ストーブファン自体の性能は結構高い事が分かりました。
 よって、首振り機構が動かないとはいえ、とてもラッキーな買い物をした様で満足です。 どうせ既設品は「首振り」はしないので、故障している現状時点でも性能は上を行ってますね。

【画像】
①両ファンの外観
②計測時の設定の様子
③計測結果の比較

1件のコメント (新着順)

う~ん、専門用語が多いのでムズイのですが、結局壊れてたのは首振り機能だけってことですかねぇ。
ファンストーブ。
電気が要らないので、停電や災害時などのキャンプ以外でも使えて便利そう。


ikumin883
2025/11/17 01:44

チェッカーフラッグさんどうもです。
 ストーブファンが有ると、対流型ストーブや反射型ストーブには、空気を撹拌してくれるので、特にテントの中など狭い空間では上部ばかりが熱くなる事が起こり難くなります。 更に当方は、天井部分にはバッテリー🪫ファンもサーキュレーターとして設置するのでより満遍なく撹拌されると思います。
 なお、ファンヒーターなら既にファンが内蔵されているのでストーブファンは不要でしょうが、災害時は電気が無いことも多く、ファンヒーターは動けない事を考えると、「灯油ストーブ」と「ストーブファン」は、災害地向けにはもってこいだと思います。 但し、灯油が有ることが前提なので、そこ迄考えたら『薪ストーブ + 瓦礫の廃材』に軍配が挙がるかもですね。

ikumin883さん
灯油を使用するファンヒーターは換気が気になりますが、テントの中だとさらに狭い範囲での使用になり、大丈夫なのかなって思ってしまいます。
その辺は室内のように密閉では無いので、そこまで気にしなくて良いのでしょうか。
これからのキャンプは寒いですものねぇ。
寝袋だけではちょっと足りなさそうですものね。

ikumin883
2025/11/18 17:36

 テント内で「灯油ストーブ」を使う事は「薪ストーブ」以上にリスクが有ります。 「薪ストーブ」なら煙突で排気しているのでテント内へ排気が充満する可能性が低いですが、「灯油ストーブ」は排気をテント内に放出しているので、一酸化炭素中毒のリスクがより以上に高くなります。

 「薪ストーブ」をテント内で使おうと考えたとき、・火災・一酸化炭素中毒のリスクが大きく、その為の注意点を勉強し、装備品として『一酸化炭素チェッカー』を購入してます。

 テント内の暖房として「薪ストーブ」を調べたとき、インターネットでは『一酸化炭素中毒防止』の内容が盛りだくさんで、薪ストーブ導入の際には「一酸化炭素チェッカー」が必須という内容の物ばかりで、できれば複数持ちでそれも安価な中華製は勧められてはいませんでした。
 そんな状況だったので、当方も導入の際は「国産センサー」で「警報案内日本語」の機種を「薪ストーブ」発注の際同時に発注してました。

 さて、そんな「薪ストーブへの注意喚起」に対し、「灯油ストーブ」のキャンプ導入についてのインターネットの状況は、あまり『一酸化炭素中毒防止』のアナウンスが賑やかではなく緩い感じを受けています。 一般家庭での「石油ファンヒーター」や「灯油ストーブ」が身近になりすぎていて感覚が緩いのかと感じてます。

 しかし現実問題としては、「薪ストーブ」は煙突を通じて、燃焼排気はテント外に排気されるのに対し、「灯油ストーブ」の排気はテント内に放出されっぱなしで垂れ流し状態であり、「薪ストーブ」より遥かに『一酸化炭素中毒』の危険性は高いと思ってます。

【当方の注意点】
・テントのベンチレーターは必ず1つ以上は寒くても開けておく。
・こまめに換気する。(推奨は1回/時間だったと思います。)
・使用前に「一酸化炭素チェッカー」の動作確認・バッテリーチェックを行い。 使用時は時々一酸化炭素濃度の値も確認する。加えて、5年以内には機種を交換する。
 また、必ず高い場所に1台は設置する。
・就寝時は「灯油ストーブ」・「薪ストーブ」共に鎮火させる。
・それと、火災防止として「テント内では給油しない」(できれば…。)

 位は実践しようと思います。

やっぱり屋内ではなくテントだからと言って、換気が良い訳では無いのですね。
緩いのはそれだけ燃焼効率が良くて、一酸化炭素中毒になりにくいと言う訳でも無いんでしょうか。
でも、お買い得なストーブを手に入れられて、ハッピーなキャンプが出来そうですね。

ikumin883
2025/11/18 21:03

 テントも冬季用となると風の吹きこみを抑えるためにテント下部に「スカート」と呼ばれる垂れ幕の様なものを付けたものが多用されます。 これにより、スカートの無いタイプのテントに比べ密閉性が増します。 また、テントの底が一体となった様なものなら、尚更密閉状態になります。

 ここで「薪ストーブ」も「灯油ストーブ」も、本来なら燃えて二酸化炭素(CO₂)と水(H₂O)を発生させますが、密閉状態のテント内では空気(酸素)が不足しやすく、不完全燃焼により二酸化炭素(CO₂)になりきれずに一酸化炭素(CO)が発生してしまいます。

 CO₂は比重が約1.5で空気より重くテント下部に滞留するのに対し、COは約0.97と空気より少し軽いのでテントの上部に「一酸化炭素チェッカー」の設置を推奨しているようですが、空気の比重とほとんど変わらないので混ざってしまうのかもしれないと当方は思ってます。 更に一酸化炭素は「無色・無臭」なので気づくことができず、「一酸化炭素チェッカー」だよりにならざるを得ません。 よって、複数「一酸化炭素チェッカー」を設け、①テント上部と②呼吸する高さに設置すべきかと思っております。
 なお、CO₂は窒息の危険性が有るものの、COは体内血液のヘモグロビンと結合し、酸素を奪ってしまうので危険度は CO₂ << CO でよりCOは危険性が高い物質と思ってます。

 蛇足ですが、市販の「テント用チェッカー」として、『CO(一酸化炭素)専用』 と『 CO₂(二酸化炭素)専用』 は別物です。
 ・CO₂ → 高濃度で酸欠の危険
 ・CO → 不完全燃焼による中毒
役割が異なるため、COチェッカーは必須で、可能であれば CO₂チェッカーも併用が理想ですが、あくまでも理想です。

 以上、趣味・道楽での『冬キャン』です。事故を起こして迷惑をかけないよう遊びたいと思います。
【画像追加】
 本スレッドのトップ画像を、この画像に差し替えました。
・「既設ファン」と「故障ファン」の位置を入れ替え、テスト結果画像と配置を合わせた。
・本文中にテント上部にもサーキュレータファンを設ける旨説明してたので、USB蓄電型ポータブルファンも追加(夏も冬も活用)
・ポータブルファンを入れたついでに、夏場に使用する「ソーラーパネル」とその電力で稼働する「USBファン(2台個別に回転数可変、防虫網DIY)」も追加し、手持ちの「キャンプ用ファン」を勢ぞろいさせてみました。

 チェッカーフラッグさん 最後に、本スレッドの最初の投稿も追記を加えたり、画像を差し替えたりしました。 良かったら今一度最初から読み直して見て貰えると嬉しいです。

ikumin883さん
安全対策を施してキャンプを楽しんでおられるのがよくわかりました。
また、暖房器具も色んなものが有るんだってこともわかりました。
ただ、使わないと多分どんどん忘れちゃうかもですが💦
はぁ~い、渾身のレポート。
また読ませていただきますねぇ。